蛍光顕微鏡の原理
蛍光顕微鏡は観察したい試料(サンプル)が発する蛍光を観察する光学顕微鏡である。蛍光とは試料に当てた光(励起光)が試料中の色素分子に吸収されて再び光を放射する現象で、一般に試料に当てた光の波長より蛍光波長の方が長くなる。蛍光顕微鏡は蛍光性をもった試料(蛍光標識した試料)を観察するため、光源に超高圧水銀灯やキセノンランプ・紫外線LED、レーザー光などを用いる。図1に蛍光顕微鏡の一つである共焦点レーザー蛍光顕微鏡の概念図を示す。(共焦点レーザー顕微鏡の概念図と同じ)

図1 共焦点レーザー蛍光顕微鏡の概念図
図2は蛍光顕微鏡のイメージ像である。

図2 蛍光顕微鏡のイメージ像
透過型蛍光顕微鏡と落射型蛍光顕微鏡
蛍光顕微鏡の構造は透過型蛍光顕微鏡と落射型蛍光顕微鏡に大別される。透過蛍光顕微鏡は構造が簡単だが、現在では技術革新の結果から高性能化の余地が大きい落射型蛍光顕微鏡が中心となっている。

図3 落射型蛍光顕微鏡の概念図
蛍光顕微鏡の利点
分子の大きさは1nm程度なので普通の光学顕微鏡では分子を観察できない。しかし蛍光顕微鏡なら、それぞれの分子に異なる色の発光するものをつけ、色で分子を識別することで、分解能以下の対象を検出・可視化することができる。
励起スペクトルは同じでも発光スペクトルが異なっている場合、様々な蛍光色素を混ぜてやることにより、1つ単色のレーザーだけで複数の蛍光分子を観察できる。
様々な蛍光顕微鏡
蛍光顕微鏡には様々な種類があるが、大まかに分類すると、分子間相互作用を可視化する方式と分子の動態を可視化する方式に分けられる。前者にはFRET、後者にはFRAP、FCS、FCCSが含まれる。それぞれの特徴については今後詳しく解説する。
分子間相互作用を可視化
分子の動態を可視化
- 光褪色後蛍光回復法(Fluorescence Recovery After Photobleaching :FRAP)
- 蛍光相関分光法(Fluorescence Correlation Spectroscopy:FCS)
- 蛍光相互相関分光法(Fluorescence Cross-Correlation Spectroscopy:FCCS)



